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[No.1212-2]俺は副音声

No.1212-2

「だから・・・こうなんだよ」
「そうか!」

物語に疑問が生じると俺に聞いてくる。
さっきのシーンは何なんだと。

「それくらい分んない?」
「分んないから聞いてるんでしょ!」

決まって俺が怒られる。
逆ギレしたいのはこちらの方だ。

「映画に集中できないよ」
「そう?私はストーリーが良く分かるわよ」

それは俺の解説があるからだ。
そうでなきゃ、疑問だらけだろう。

「ん?」
「またぁ~?」

この映画だって初見だ。
何の前知識もない。

「俺だって今見て、今理解してるんだけど?」
「それ、自慢?」

また、逆襲を食らう。
まるで俺が悪いかのように。

「そろそろ落ち着いて見させてよ」

“俺はテレビの副音声かよ!”と言いたくなった。
J1212
(No.1212完)
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