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[No.1213-1]いつもと違う夕焼け

No.1213-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「わぁ~!綺麗ね」
「ほんと綺麗な夕焼けね」

陽が落ちるのが早くなったせいだろうか。
会社帰りに綺麗な夕焼けを見るようになった。

「でも、いつもより三割増しで綺麗じゃない?」
「・・・確かに」

三割り増しかは別にして、いつもと違う夕焼けだ。
いつもはどちらかと言えば立体感がなく平坦だ。

「なんか、こう、キラキラしてるね」

いつもは空を茜色に染めるのが夕焼けだ。
ただ、今はそうじゃない。

「雲があるせいじゃない?」
「なるほど」

うろこ状の雲と言えば言いのだろうか?
妙に立体感のある雲が茜色に染められている。

「でこぼこがキラキラしてるように見せてるのね」

でこぼこでコントラストが強調されている。
そのせいで、遠くから見るとキラキラしているように見える。

「幻想的ね・・・」
「そうだね」

しばらく夕焼けを二人して見つめる。
はたから見ればどう映るのだろうか、私たちは。

「・・・えっ!?」
「・・・泣いてるの」

気付けば同僚が隣で涙を流している。

(No.1213-2へ続く)

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