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[No.1207-2]野良猫のプライド

No.1207-2

「立場をわきまえてるのね!」
「あははwそんな感じ」

飼い猫には成り下がらない。
だからと言って野良猫としてのプライドもない。

「ほんと面白い関係ね」
「毎日、その道を通るのが楽しみよ」

多少、警戒されるものの近付くことは許してくれる。
その距離感もいい。

「ご飯、あげてみたら?」
「なつかれるかもよ」

多分、そうなると思う。
さっき言った通り、野良猫としてのプライドはない。

「そうしたいんだけど・・・」
「何かマズイことでも?」

マズイと言うほど大袈裟なことではない。
でも、それこそ無責任になってしまう。

「無責任?」
「あっ・・・そうだったわね」

私はあるプロジェクトの一員としてこの地に来た。
1年の限定で。

「私頼みになっても嫌だし」
「別れも辛いしね」

その1年がそろそろ来ようとしている。

「今の距離感のまま・・・それでいい」
1207
(No.1207完)
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