[No.1203-1]胸のときめき
No.1203-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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便利な世の中になったものだ。
なんだか、おじさんのような発言だけど。
「ねぇ、レコードって知ってる?」
「知ってるけど実物は見たことがないよ」
私もつい最近まではそうだった。
レコードもそれを動かすプレーヤーも。
「どうしたのよ、急に?」
「レトロに目覚めた?」
決してそういうわけではない。
でも、それと似た感覚は持った。
「家の倉庫からさ」
「レコードが出てきて」
それは父の物だった。
「それっとお父さんの・・・」
「あっ!ちなみに父は健在だからね!」
この流れだと遺品のようになってしまう。
早めに誤解は解いておいた方がいいだろう。
「良かったぁ!」
「だと思ったよw」
たまたま倉庫を整理している時にそれを見つけた。
父も完全に忘れていたらしい。
「で、ついでにプレーヤーも出てきて」
「それなら聞くしかないでしょ!」
友人の言う通りになった。
倉庫の整理はいつしかレコード鑑賞に変わった。
「掃除あるあるね!」
「ほんとそうよw」
幸いにもどちらも保存状態が良好だった。
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