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[No.1198-2]マーマレード

No.1198-2

「まぁ、ジャムよりは少しクセはあるよね」
「うん・・・私もそんな気がしている」

食べたことがないかもしれないが。

「多分、匂いで食べずに敬遠したと思う」
「そうね、確かに独特の・・・」

子供にはハードルが高そうな匂いがした。
何となく薬草ぽいと言うか・・・。

「でもさぁ・・・今、食べてるパン・・・」
「そうなのよね、似たようなものが入ってるの」

食感こそ違うが、匂いはマーマレードそのものだ。

「食べられるようになった・・・って話?」
「うん・・・いつの間にか」

食の好みが変わることは色々と経験してきた。
苦手だった食べ物が、今では好物に変わったりしている。

「私もそうよ」
「子供の頃と随分変わったな」

私の場合もそうだ。
マーマレードに似た食べ物が逆に好きになった。

「このパンだって・・・フルーティでさぁ」
「逆にオレンジが入っていないとダメなくらい」

それくらい好みが変わった。

「じゃぁ、肝心のマーマレードは?」
「食べてみたんだよね」

もちろん食べてみた。
今なら食べれそうだからだ。

「で、結果は?」
「・・・やっぱり、ダメみたい」
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(No.1198完)
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