[No.1198-2]マーマレード
No.1198-2
「まぁ、ジャムよりは少しクセはあるよね」
「うん・・・私もそんな気がしている」
食べたことがないかもしれないが。
「多分、匂いで食べずに敬遠したと思う」
「そうね、確かに独特の・・・」
子供にはハードルが高そうな匂いがした。
何となく薬草ぽいと言うか・・・。
「でもさぁ・・・今、食べてるパン・・・」
「そうなのよね、似たようなものが入ってるの」
食感こそ違うが、匂いはマーマレードそのものだ。
「食べられるようになった・・・って話?」
「うん・・・いつの間にか」
食の好みが変わることは色々と経験してきた。
苦手だった食べ物が、今では好物に変わったりしている。
「私もそうよ」
「子供の頃と随分変わったな」
私の場合もそうだ。
マーマレードに似た食べ物が逆に好きになった。
「このパンだって・・・フルーティでさぁ」
「逆にオレンジが入っていないとダメなくらい」
それくらい好みが変わった。
「じゃぁ、肝心のマーマレードは?」
「食べてみたんだよね」
もちろん食べてみた。
今なら食べれそうだからだ。
| 固定リンク | 0
「(048)小説No.1176~1200」カテゴリの記事
- [No.1200-2]道なき道を行く(2023.07.27)
- [No.1200-1]道なき道を行く(2023.07.26)
- [No.1199-2]お弁当の絵文字(2023.07.23)
- [No.1199-1]お弁当の絵文字(2023.07.22)
- [No.1198-2]マーマレード(2023.07.20)
コメント