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[No.1196-2]何で磨くの?

No.1196-2

「で、とにかく、磨きたくなるんだよ」
「そうかな・・・」

もともと、表面がややくすんでいることもある。
磨いてくれと言わんばかりに。

「磨くとさ・・・色鮮やかになって」
「めちゃくちゃ、美味そうに見えるんだよ!」

例えるなら、大きなビー玉のようだった。
豊潤で高貴な色に変化する。

「大袈裟ね」
「大袈裟じゃないぞ!」

驚くほど、つやつやになる。
食べるのがもったいないくらいに。

「じゃ、見てろよ」

論より証拠だ。
もう、さっきから磨いているが。

「・・・何だか輝きを増してない?」
「だから言ったろ?」

特にこのすももは色が濃い。
味も期待させる。

「・・・これどう?」
「なにこのつやつや感!」

ある意味、食べる前の儀式のようなものだった。
あの頃の僕たちにとっては。

「今もでしょ?」
「だなw」

そう言い終わる前に彼女もひとつ磨き始めた。

(No.1196完)
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