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[No.1197-2]持たせてくれた人

No.1197-2

「でも、今さらなんでこんな話を?」
「先週、実家に寄ったんだけど」

なにげなく食器棚を整理していた時にそれを見つけた。
それこそ、なにげなく置かれていた。

「さすがに使ってはなさそうだったけど」
「雑に置かれてたわけでもなかったな」

もう、弁当を持つ人はいない。
そもそも、持たせてくれる人も居ないが。

「捨てられなかったんじゃない?」
「別に思い出の品ってわけでもないんだぞ?」

3年間使った・・・ただ、それだけだ。
それ以上でも以下でもない。

「これだから男性は・・・」
「何だよ?」

彼女が何か言いたげな顔をしている。

「“あなた”はそうかもしれないけど」
「“持たせてくれた人”は違うのよ」

そう言うものだろうか?
僕にはよくわからない。

「お弁当は物言わぬ、愛情そのものなのよ」
「気付かなかったの?」

そう言われても・・・。

「だから、捨てられなかったのよ」
「お母さんは」

(No.1197完)
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