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[No.1188-1]憧れの果物

No.1188-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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子供ながらに思っていたことがあった。
アレはお金持ちが食べるものだと・・・。

「なにそれ?」
「なんだと思う?」

そこに辿り着くのに壁が二つあった。

「壁が二つ?それヒントなの?」
「まぁ、ヒントと言えばヒントだけど」

さすがにこれで分かる人はいないだろう。
その食べ物は果物とだけ伝えておこう。

「果物?」
「あぁ、レアな果物じゃないぞ」

ただ、多くの人はその状態から食べていないだろう。
面倒だから。

「その状態?面倒?」
「僕も普段はカットされたのを食べてる」

量が多すぎることもある。
さすがに一人ではきつい。

「それってスイカじゃないの?」
「量も多いし、他の果物よりは面倒じゃない?」

確かにスイカもそうかもしれない。
カットされて売ってもいるし。

「でも違うんだよな」
「二つの壁、あっただろ?」

ある意味、憧れでもあった。
子供の頃は、よくて缶詰だったからだ。

(No.1188-2へ続く)

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