[No.1192-1]彼らには・・・
No.1192-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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時々、ハト達に行く手を阻まれることがある。
もちろん、意図的でないことは分かっているが・・・。
「私もある!」
「ほんと、頭に来るよね!」
確かに、そんな気持ちにならなくもない。
でも、私の場合は別の感情が沸いてくる。
「別の感情?」
「うん、この前も・・・」
自転車で走行中、目線の先に彼らが群れているのが見えた。
一応、スピードを落とし、徐行の準備は整えた。
「けど、私が近付いても」
「いっこうに逃げる気配がなくて」
結局、群れの中を掻き分けるように進んだ。
自転車の私が。
「その時、思ったんだ」
「彼らには私がどう見えているのだろうか?って」
一目散に逃げるわけではない。
だから、少なくとも敵とは見なしていないだろう。
「まぁ・・・そうだろうね」
「街中のハトなんて特にそうじゃない?」
公園なんかでは、自ら寄ってくるくらいだ。
エサを求めてだけど。
「“わぁ~見慣れた大きな物体が来た~!”って感じかも?」
「あははwかもね」
彼らにとって私は巨人以外何者でもない。
ましてや、自転車も加わると、その“迫力”は増すだろう。
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