[No.1190-1]○○○さん
No.1190-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「○○○さん、辞めたって知った?」
「えっ・・・そうなの!?」
○○○さんはかつての職場で同僚だった女子社員だ。
同僚とは言えど組織的にはやや複雑な間柄だった。
「ちょっと待って・・・確認してみる」
昔と違って在籍を確認するのは簡単だ。
WEBで確認できるからだ。
「・・・本当だ・・・居なくなっている」
「でしょ」
比較的、珍しい苗字だから検索も容易い。
おそらく、社内で1人しかいない苗字だろう。
「どうして・・・」
「知らないの?ほら、これ見てよ」
彼女が所属していた部門のホームページを見せられた。
自分も、ごくたまに見ていた。
「・・・統廃合」
「うん、早い話、無くなったみたい」
一般的な統廃合ならそれほど心配はしない。
でも、彼女の居た部門はそうはいかない。
「東北に統合されるなんて・・・」
彼女は北海道で勤務していた。
だから、統合するなら転勤しかありえない。
「実質・・・無理な話だよな?」
「そうね、結婚してるから」
旦那が彼女に合わせるわけにはいかないだろう。
そう簡単には。
「つまり、退職を見込んだ統廃合・・・」
じゃないとしてもそう見えてしまう。
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