[No.1192-2]彼らには・・・
No.1192-2
「ただ、ちょっとは危険だと認識して欲しいわけよ」
「轢かれたりでもしたら可哀そうでしょ?」
人間に近すぎるのも考え物だ。
まるで危機感がない。
「危機感ね~確かになさそうね」
「さっさと逃げたらいいのに」
それどころか、近付いてくる。
もちろん、彼らは逃げているつもりだろうけど。
「今度、人間の怖さを思い知らせたら?」
「ほどほどに・・・だけど」
確かに一理ある。
じゃないと、いつか事故になる。
「大きな声でも出してみる?」
「いいかも、それ」
それなら、ビックリしてにげてくれるはずだ。
なんなら少し追いかけまわしてもいい。
「人間って怖いんだぞ~ってね」
「怖そう~w」
これくらいが、丁度良い距離だ。
人間との。
「彼らにはどんな風に見えるのかな」
「こんな私が」
繰り返しになるけど“危険人物”くらいで丁度良い。
人間を代表して、明日、ハトと対峙しよう。
「すっぴんで行ってみたらどう?」
「それ・・・どういう意味?」
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