[No.1191-1]こっちを食べな
No.1191-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「ねぇ、のろけ話、してもいい?」
「またぁ?」
例え断っても、ねじ込んでくるからタチが悪い。
それに私だって彼は居る、一応。
「ねぇ、こんなことない?」
「例えば・・・たい焼きとか」
目線の先で美味しそうなたい焼きを売っている。
「そのたい焼きがなによ?」
「ほら、一個を分け合うことがあるじゃん」
なるほど、ひとつをシェアする・・・。
それほど仲が良いということアピールか。
「うふふ・・・浅いわね!」
「のろけポイントはそこじゃないわよ」
そこじゃない・・・。
何を聞かされるのか、逆に恐ろしい。
「半分こ、したらさぁ」
「大きい方をくれるの、私に」
・・・なるほど、そういうことか。
まぁ、良くある話だけど。
「他もそうよ、美味しい方をくれる」
「“こっちを食べなって”ね!」
確かに、嬉しくはある。
ダイエット、ウンヌンは別にしても。
「どう?羨ましい?」
それならこっちの話も聞いてもらうことにしよう。
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