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[No.1180-1]床屋の楽しみ

No.1180-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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子供の頃、床屋に行くのは好きではなかった。
面倒だし、時間も掛かる。

「でも、楽しみでもあったんだよな」
「矛盾してない?」

もちろん、分かっている。
むしろ、時間が掛かったほうがいい。

「ますます矛盾してる」
「まぁ、聞けよ」

その床屋に少年誌が置いてあった。
多分、今でもそういう店は多いと思う。

「美容室もそうだろ?雑誌の種類は違うけど」
「それはそうよ」

早い話、そこで漫画を読むのが楽しみだった。
だから、混んでる方が逆に良かった。

「子供ならそうよねw」
「だろ?」

あえて混んでいる時に行ったこともある。
1時間くらい待つのが丁度良い。

「数冊は読み終えるからな」

ただ、残念なことがなかったわけじゃない。

「残念?」
「週刊雑誌ならではのことだよ」

床屋には1か月に1回程度通っていた。

(No.1180-2へ続く)

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