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2023年4月

[No.1182-2]666

No.1182-2

「ノルマが・・・ねぇ~」

営業職ならではの悩みだろう。

「休日くらい、数字を忘れましょ!」
「あなたが言うw」

確かに数字の話題を振ったのは私だった。

「そ、そうよね・・・」
「冗談よ!逆に気晴らしが出来たわ!」

それなら有難い。

「ちなみに、さっきの“794”の答え合わせしない?」
「えっ・・・いいわよ」

アレしかない。
アレ以外・・・ないはずだ。

「せーの!」

友人が音頭をとる。

「平安京!」
「平安京!」

見事、一致した。

「やっぱりね!」
「だって、これしかないじゃん!」

“794”はこれ一択だろう。

「それより、ちょっと急がない?」
「あっ!ほんとだ!」

もう、ひとりの友人と会場で待ち合わせている。
急いで改札を抜けた・・・その瞬間。

「えっ!残高666円・・・」
「それって!」

(No.1182完)
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[No.1182-1]666

No.1182-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
ふと、時計に目をやると数字が揃っていることがある。
あるいは、1234のように並んでいることも。

「たまにあるよね」

だからどう・・・ということはない。
でも、偶然とは言え、何かを感じずに居られない。

「他にも買い物したときに」
「お釣り?」

そう・・・でも渡される小銭ではない。
レシートに印字されている数字が目に付く。

「333円です!と言われてお釣りをもらうより」
「レシートの333円にちょっと驚くのよね」

それが、“777”ならなおさらだ。
パチンコに詳しくない私でも、その数字の魅力を知っている。

「確かにw」
「大当たり!・・・なんてね」

他にも自分の誕生日だったり、何かの記念日だったり。
世に溢れる数字に一喜一憂している。

「でも、話題作りにはなるよね?」
「それも安上がりでw」

友人の言う通りだ。
数字にまつわる話題は多い。

「“794”という数字を見たら、アレしか思い付かない」
「だよね!」

そうこう話しているうちに、目的の駅についた。

「たかが数字、されど数字だね」
「それって、仕事が関係してる?」

友人が小さく頷いた。

(No.1182-2へ続く)

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ホタル通信 No.531

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.699 暗号なの?
実話度:★★★★★(100%)
語り手:男性

実話度100%ですので、お約束通り、作者は牽引役の男性か相手の女性です。

LINE以前はメールでやり取りしていました。もちろんリアルタイムではありませんが、返信が来る間隔が、1日後とか1週間後とかのレベルではなく、1か月後にそれが来るとか・・・そんな関係でした。
LINEになってからも、言うほど早くなったわけではありませんが何とか話が続くようになりました。でも、そのうち、打つのが面倒になったのでしょうか?言葉が減っていき、いつしか写真しか送られてこなくなったのがこの小説です。

でも、不思議なもので、言葉よりも伝わることもあり、スマホや筆記用具が散乱した写真は、彼女の気持ちそのものであり、心配しつつも、思わず笑ってしまいました。で、写真が届く日々が続いていたのですが、時々、意味不明な写真が届き始め、男性にとって最も怖い“察してね”とも思えるやり取りが始まりました。
そんな中、何を写したものか分からない画像が届き、それが何であるか、クイズのような出来事がありました。それが小説の最後に張り付けてある写真です。

これ何だと思いますか?ここまで書いて言わないのはアレなんで、書いておきます。何味か忘れてしまいましたが、アイスクリームの“爽”のフタを開けた写真なんですよw

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[No.1181-2]桜吹雪

No.1181-2

「時代劇から答えに行き着くなんてw」
「だねw」

共に時代劇が好きなことが功を奏した。

「桜並木を通ってたら・・・」
「桜がバァーって舞い上がったの!」

それもかなりの規模で。

「散ってるとこや、軽く舞ってるとこは見たことあるけど」
「今回のは初めてだったな」

まさしく“桜舞う”を絵にしたような瞬間だった。
多分、その時に、くっついたようだ。

「へぇ~、それはすごい!」
「なかなかその瞬間には出会えないよね」

散り行く桜は寂しい。
けど、確実に春が来ている証拠だ。

「数日もすれば、完全にちっちゃうね」
「多分、そうだろうね」

数ヶ月もすれば、今度は心地よい日よけに姿を変える。
厳しい日差しを和らげてくれるのだ。

「そう考えると、うちらの学校すごくない?」
「環境がよくてさ!」

確かに、映画やドラマで使ってもらえそうな景観だ。

「随分、話が飛躍しちゃったけど」
「何だか、今日は気分がいいよ、朝から」

これも桜吹雪のお陰だ。
天高く舞ったのは、桜の花びらだけじゃなかったようだ。

「うまいこと言うねぇ~」
「そ、そうかなw」

私の想いも届くといいな。

(No.1181完)
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[No.1181-1]桜吹雪

No.1181-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
その瞬間に出会えそうで出会えないもの・・・。
これもそのひとつだと思う。

「わぁ~」

感激のあまり、つい声が漏れてしまった。

「ん?頭や肩に何かついてるよ?」

教室に入るなり、友人から指摘された。

「・・・花びらじゃん」
「桜かな?」

その言葉を聞いてすぐにピンときた。
ついさっき、桜の木の下を通ってきたからだ。

「そっか、さっきのアレで」
「何よ、アレって?」

学校へ続く桜並木は、4月上旬が見ごろだ。
中旬を過ぎる前には散り始める。

「桜が・・・ね、こう・・・なんて言えばいいのかな?」

単に桜が散っているのではない。
いや・・・散っているというより、舞っている。

「それ・・・アレじゃない?」
「なんて言ったかな・・・」

この場合、語彙力のなさと言えばいいのだろうか?
2人とも言葉が出てこない。

「ほら、アレよ!」
「昔、時代劇でも出てきた・・・」

その瞬間、二人とも気付いた。

「桜吹雪!」
「桜吹雪!」

そして、同時に答えにたどり着いた。

(No.1181-2へ続く)

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[No.1180-2]床屋の楽しみ

No.1180-2

「何なのそれ?」
「タイミングが悪いとさぁ・・・」

1週分、飛んでいる時があった。

「どういうこと?」
「ずっと置いてるわけじゃなくて」

定期的に入れ替えられていた。
本棚が小さいこともあって。

「ほら、週刊雑誌なら月4、5冊だろ?」
「そういうことね!」

一番いいところで読めなかったこともある。
どれだけ、次の話を楽しみにしていたか・・・。

「店主に言えばよかったのに」
「常連だったんでしょ?」

確かに常連ではあった。
結果的に高校を卒業するまで通っていた。

「その頃は小学生だぞ?」
「さすがに言えないよ」

読めなかった話がどんどん増えていく。
通えば通うほど。

「全体のストーリーは分かってるんだけど」
「所々、話が繋がらないことがあって」

その反動は大人になってからやってくる。

「いわゆる、大人買いってやつでしょ?」

(No.1180完)
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[No.1180-1]床屋の楽しみ

No.1180-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
子供の頃、床屋に行くのは好きではなかった。
面倒だし、時間も掛かる。

「でも、楽しみでもあったんだよな」
「矛盾してない?」

もちろん、分かっている。
むしろ、時間が掛かったほうがいい。

「ますます矛盾してる」
「まぁ、聞けよ」

その床屋に少年誌が置いてあった。
多分、今でもそういう店は多いと思う。

「美容室もそうだろ?雑誌の種類は違うけど」
「それはそうよ」

早い話、そこで漫画を読むのが楽しみだった。
だから、混んでる方が逆に良かった。

「子供ならそうよねw」
「だろ?」

あえて混んでいる時に行ったこともある。
1時間くらい待つのが丁度良い。

「数冊は読み終えるからな」

ただ、残念なことがなかったわけじゃない。

「残念?」
「週刊雑誌ならではのことだよ」

床屋には1か月に1回程度通っていた。

(No.1180-2へ続く)

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ホタル通信 No.530

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.502 地元の名物
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:男性

タイトルにもしている地元の名物・・・文中ではあえてそれが何であるかを隠しています。

地元を知られたくないから、というわけではなく、人それぞれの名物をそこに当てはめてもらえたらと言う気持ちと、単に小説の雰囲気を壊したくなかったからです。
その地元の名物とは・・・ずばり、姫路おでんです。18年地元に住んでいながら、全く知りませんでした。知らなかった一番大きな理由は、両親が姫路の人間ではなかったからです。もしかしたら両親はその存在は知っていたかもしれませんが、食べる習慣はなかったと思います。

小説にも書きましたが、高校卒業後、地元を離れたこともあり「これから」という時を地元で過ごすことができませんでした。
社会人になれば飲みに行ったりする機会も増えるでしょうから遅かれ早かれ、おでんに出会っていたと思います。でも、地元に住んでいながら、地元の名物や名所を知らないことは意外なことではありません。逆に地元に居るから、知らないことが多いのかもしれませんね。

この小説、地元の名物の話と思いきや、実はラジオから聞こえてきた地元の名前に、少しノスタルジックな気持ちになった話なんですよ。テレビだとこうはいきません。今の時代だからこそ、ラジオなんですよね。

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[No.1179-2]カモとゴミ

No.1179-2

「カモ達が楽しそうだから対照的ね」
「ほんと、そうだよ!」

彼らに表情があるわけではない。
けど、何となくはしゃいでいるように見える。

「ゴミ拾いしたい気分w」
「私もw」

この言葉にうそはない。
ゴミ拾いは嫌いじゃない。

「とは言え、そう簡単に拾えそうにないよな」
「・・・それは言えてる」

目下の川であるが、数メートル下にある。
それも急な斜面を降りなきゃならない。

「その前に、目の前のフェンスを越えなきゃ!」
「確かに・・・」

けど、簡単には越えれそうにない。
越えた先は、急斜面ということもある。

「くっそー!」

だからこそ、ゴミであふれるのかもしれない。

「カモに申し訳ないな」
「これ以上、ゴミが増えなきゃいいね」

少なくともそうでありたい。

「あーゴミ拾いしたい!」
「じゃあ、私の部屋でも掃除する?」

(No.1179完)
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[No.1179-1]カモとゴミ

No.1179-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
言うほど地球環境に興味があるわけではない。
けど、それをみたら心に刺さるものはある。

「あれ見てよ」
「あれって・・・カモのこと?」

目下にそれほど大きくはない川が流れている。
そこに、カモが群がっている。

「そうだよ、でも何か気にならない?」
「特に変わった様子は・・・」

少し意地悪な聞き方だったかもしれない。

「ほら、周りはゴミだらけだろ?」
「・・・確かに」

あからさまなゴミもあればカモに似たゴミもある。
ちょうどサイズが同じで色も黒っぽいからだ。

「ほんとだ・・・カモが浮いてるように見える」

カモに混じってゴミが・・・ではない。
ゴミに混じってカモが・・・だ。

「カモたちにはどう見えてるんだろうな」
「・・・考えさせられるね」

繰り返すけど環境に特段、興味はない。

「でも・・・ゴミを捨てちゃダメだよな」
「それに、何だよ、あのゴミ・・・」

小型のテレビのようなものが捨ててある。
もちろん、誤って落としたものではないのは明白だ。

(No.1179-2へ続く)

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[No.1178-2]未来の子供

No.1178-2

「何だか母性が目覚めて来ちゃったよ」
「私も・・・」

直接関係ない友人までこの始末だ。
恐るべし、子供パワーだ。

「実は、前にも一度、経験があるんだよね」
「そ、そうなの?!」

以前も女の子だった。

「今日も女の子だった」
「未来の子供なのかな?」

その前に結婚する必要があるが。
ふたりとも。

「・・・かもしれないね」
「子供も何か感じるものがあったんじゃない?」

こんな経験はそうあることではない。
それが、二度もあるなんて。

「大勢の中からあなたが選ばれたかもよ?」
「・・・かもねw」

確かに他人とは思えない感触があった。
顔もどこか私に似ていたような・・・。

「あははw飛躍しすぎよ」
「だねw」

でも、これも何かの縁だ。
全くの他人だけど、幸せを願わずにはいられない。

「そうだね」
「また、誰か繋いでくれないかしら?」

そんな期待をしてしまう。

(No.1178完)
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[No.1178-1]未来の子供

No.1178-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「えっ!?」

誰かが私の手を握ってきた。
その感触はすごく柔らかだ。

「なになに!?」

私の声に友人からも驚きの声があがった。

「見て・・・w」
「・・・誰w」

会話に笑いが含まれている。
今の状況ならそうなってしまう。

「私、お母さんじゃないわよw」

手を握ってきた見知らぬ子供にやさしく声を掛けた。
子供は子供でポカンとしている。

「近くに・・・居るはずだけど・・・」

キョロキョロする暇もなく一人の女性が近付いてきた。
それが“本当”の母親だと確認せずとも分かる。

「突然だったんでビックリしたよ」
「でしょうねw」

その子供としては母親と手を繋いだつもりだったのだろう。
丁度良い位置に私が居たこともあって。

「それにしても・・・」
「ぷにぷにしてた」

子供の手、特有のぷにぷに感があった。

「それ分かる!」

その感触が今も私の手に残っている。

(No.1178-2へ続く)

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ホタル通信 No.529

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.497 金木犀
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:女性

冬のホタルではお馴染みの植物の金木犀ですが、この小説においては壮大な前振りになっています。

では、何の前振りかと言うと、最後の1行に書いてある蚊のような虫です。この虫、ユスリカと言うらしいです。名前は知らずとも不快な思いをしている人は大勢いると思います。実は、今がまさに大量発生の時期であり、ここ1~2週間、ユスリカと戦っています。
ネットによれば、3月~12月が発生時期とは書いてありましたが、経験上、冬から春、夏から秋の季節の変わり目に多く発生します。寒さがやわらぎ気温が上昇しようものなら・・・イラっとするくらい大量発生します。

ですが、これも季節を感じる風物詩でもあります。
ユスリカを手で払いながら自転車を漕ぐ・・・これを何日か繰り返していくと、いつの間に季節が移り変わり、気付けばユスリカも姿を消しています。何でも成虫の寿命は1週間程度らしいですね。それを知ったら、彼らは彼らで生きているんだ、としみじみ思います。

今年は特に大量発生しているみたいです。目に入るわ服に大量にくっつくわで、もうメチャクチャな状態です。でも・・・何だかそれを楽しんでいる自分も居ます。

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[No.1177-2]流れは日本

No.1177-2

「打順がいいよな!」
「バンドさせなかった監督の采配が・・・」

普段、プロ野球をみない僕らが熱く語り始めた。
アレがどうだの、ソレがこうだの。

「普通はバンドだよな」

でも、バンドじゃなかったから勝てたような試合だった。
もし、バンドなら勝っていたかどうかは分からない。

「それに見た?一塁ランナー?」
「めっちゃ早くなかった?」

その選手は代走だった。
その速さは異次元だった。

「前の選手を追い抜きそうだったw」
「確かにw」

代走に選ばれただけのことはある。
上から目線の物言いで申し訳ないが。

「それにしても・・・すごい試合だったな」
「うん!」

それまで全く興味がなかったのに・・・。
最終回の攻防だけで魅了されてしまった。

「決勝はどこ?」
「アメリカだって!」

良い試合にならない方がおかしい組み合わせだ。

「勝てるかな?」
「流れは日本だろ?」

僕の言葉に彼女もうなづく。
そして結果は・・・。

(No.1177完)
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[No.1177-1]流れは日本

No.1177-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
普段、プロ野球は見ない。
それだから好きな球団も選手も居ない。

「えっ!最終回で逆転だって」
「勝ったの?!」

これがことの始まりだった。

「さっきチラッとニュースを見たら負けてたのに・・・」
「野球は一発逆転があるからな」

劇的なサヨナラ勝ちだったようだ。

「今夜、再放送があるって!」
「何時から?」

普段なら野球なんて絶対に見ない。
例え、優勝が決まるであろう、試合であっても。

「絶対みないとな!」
「そうよね!日本、すごい!」

それが、にわかファンもいいところだ。
たった一試合で気持ちが大きく動いた。

「それでどんな打順だったの?」
「ええっとね・・・」

知ってる名前もいれば知らない名前もいる。

「最後にヒット打った人、不振だったみたいよ」
「その人、アレ・・・だろ?」

プロ野球に詳しくない僕でさえ知っている名前だ。

「それに、トップバッターは・・・だって!」

最終回はすごいメンバーだったみたいだ。
今夜が楽しみだ。

(No.1177-2へ続く)

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[No.1176-2]知らない機能

No.1176-2

「この間なんて・・・」

空気清浄機のフィルターを掃除することになった。
ただ、いつもより汚れが酷かった。

「だから、洗剤とか使っていいのかな?と思って」
「故障したら嫌だし」

念のため、取扱説明書を確認した。
すると、そこにも衝撃的なことが書いてあった。

「もう驚かないわよw」
「だねw」

掃除しているフィルターは後ろ側に付いている。
誰が見ても分かる、大きなフィルターが。

「この流れからすると・・・」
「そう!別の場所にもフィルターが付いてたの!」

それは前面の吸い込み口の中にあった。
だから、外からはその存在に気付けない。

「説明書を読んでたら別だけど」

それほど難しくはない商品だ。
基本、自動のボタンを押せば動く。

「ちなみに、いつ気付いたの?」
「聞くのが怖いけど・・・」

確か・・・。
使い始めてから7年くらい経過した時だった。

「な、なな年!?」
「そしたら・・・」

そう・・・フィルターがすごいことになっていた。
埃が溜まっている・・・というレベルではない。

「何に例えればいいんだろうか・・・」
「例えなくていいよ!」

(No.1176完)
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