[No.1171-2]会う老人
No.1171-2
「でも、どうしてこの話題を?」
「なんかさぁ・・・」
実は明確な理由はない。
けど、何となく人に話したくなった。
「自分の未来を重ね合わせてる?」
「それとも・・・父親とか?」
多分、どちらも正解だと思う。
老人から何かを感じ取っているのは間違いない。
「男ってそんなとこあるよね?」
「そ、そうかな・・・」
だけど、決して暗い話ではない。
むしろ、明るい話だ。
「明るい?」
「あぁ、なんか元気が出る」
別に足取りが力強いからではない。
その老人からにじみ出る何かを感じている。
「人生・・・そのものとか?」
「そうかもな」
仕事帰りの疲れた体に活力が戻ってくる。
そんな気がしている。
「飲みに行くよりいいんじゃない?」
「・・・だなw」
今日も出会えるだろうか?
その老人に。
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