[No.1174-2]私の仮説
No.1174-2
「未来?」
「そう!すごく科学技術が発達した夢とか」
だから、その仮説に行き着いた。
「で、その仮説とは?」
「夢は前世の記憶なの」
言い放った後の友人の表情が微妙だ。
呆れているような、感心しているような・・・。
「・・・なくもないわね」
「えっ!?」
意外な反応にこっちが驚いた。
この手の話には否定的なはずだが・・・。
「否定・・・しないの?」
「別に・・・だって仮説・・・可能性のひとつでしょ?」
友人の言葉に妙に納得してしまう。
自分が言い始めたことなのに。
「確かに、前世があって・・・」
「その記憶が夢となって・・・なくもないわよ」
オカルトな話ではなく、結構、真面目な仮説だ。
前世だって、DNAの記憶と言ってもいい。
「おっ!何だか本格的になってきたわね」
「最初は・・・興味なかったくせに!」
前世の記憶だから未来の夢を見ることができない。
自分で言うのも何だか、しっくりくる。
「大発見かもしれないよ!」
「学会に発表する?」
学会は冗談としても、自分なりに研究するのもおもしろい。
今日の夜から、どんな夢を見たか記録することにしよう。
「で、昨日の夢はどうだった?」
「好きな夢を自由に見られる・・・そんな未来の夢を見たよ」
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