[No.1172-2]そこに手すりがあるから
No.1172-2
「とにかく!」
「分かったわよ、かたぶつなんだから」
その言葉の使い方を間違っている。
それに普通は立場が逆だ。
「逆?どういう意味?」
「僕が滑って、君に怒られるのが普通だろ?」
これが本来の姿だ。
真面目に言うことでもないが。
「それは偏見よ!」
「女子だって・・・・」
もはや偏見なのか何なのか分からなくなってきた。
ただ、繰り返すようだけど、危ない。
「せめて、やる前には声を掛けてくれよ」
「サポートするから」
サポート?・・・自分で言っておきながら恥ずかしくなる。
「ほんと!?」
「助かるぅ!」
“勢いづかせてどうする!”・・・と自分を責めたい。
でも、その方がケガされるよりマシだ。
「・・・ったく、頼むぞ」
「了解!」
今後、似たようなてすりを見つけたら要注意だ。
先手を打つことも必要だろう。
「じゃぁ、理解してもらえたということで・・・」
何だか嫌な予感がする。
「今度は、にけつして滑らない?」
いや、確かに、子供の頃、してたけど!
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