[No.1175-1]100円の重み
No.1175-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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自販機で何気なく飲み物を買う。
出てきた缶コーヒーをまじまじと見つめた。
「・・・どうかした?」
「間違ったの?」
そうではない。
あることをフッと思い出した。
「子供の頃って」
「100円って大金だったよな」
でも今は、いとも簡単に消費してしまう。
缶コーヒーを買ったように。
「いきなりどうしちゃったのよ?!」
自分でもよく分からない。
急にノスタルジックになったみたいだ。
「なんでだろうね」
今も昔の100円の価値はそれほど変わらない。
でも、昔は100円あれば色々と買えた。
「駄菓子屋に行けば結構数を買えたな」
「ひとつ5円のお菓子もあったし」
だから大金のように思えるのかもしれない。
それに・・・。
「それに?」
「そんなに頻繁に貰えないだろ?お小遣い」
時々貰えた100円を握りしめて駄菓子屋に向かう。
それがどれだけ嬉しかったか。
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