[No.1162-2]水の音
No.1162-2
「夜になると、星の瞬きまで聞こえてそう」
「それは言い過ぎw」
言葉とは裏腹に、納得の顔をしている。
それだけ、静かだということだ。
「子供の頃は、川でよく遊んだよ」
「私も!」
大雨ではない限り、穏やかな川だった。
だから、子供らの遊びのスポットでもあった。
「ちょっとした草むらに秘密基地作ったり」
「そうそう!」
拾ってきたゴミは、秘密基地の一部に変わった。
「そこで何をするわけでもなく」
「のんびり過ごして・・・」
それこそ、川の音が聞こえてきた。
それに、水面できらめく太陽の光さえも・・・。
「キラキラ!って聞こえてきたよ」
「分かる!分かる!」
田舎・・・郊外に住んでいた者同士、通じるものが多い。
「今度、お互いの実家に行ってみない?」
「それ・・・ナイスアイデア!」
幸いにも、お互いそれほど遠くはない。
十分、日帰りできる。
「で、どっちが都会か勝負よ!」
「あははw」
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