« [No.1166-1]粋な客 | トップページ | [No.1167-1]暗闇のサギ »

[No.1166-2]粋な客

No.1166-2

「まぁ、多く請求したわけじゃないから」
「お客さん的には実害ないわね」

お店には悪いが、ラッキーだったと言えよう。
でも、粋なお客さん・・・という言葉が気になる。

「そう言えば、何が粋なの?」
「ほら、店は差額は請求しない・・・って言ったでしょ?」

でも、お客さんは差額を支払うと言っていたようだ。

「私なら・・・お店の好意に甘えちゃいそう」
「だよね!私もw」

けど、その程度なら粋とは言えない。
ある意味、当たり前と言えば当たり前だからだ。

「差額を払うっていう理由がね・・・」
「払う理由?」

そんなのは簡単だ。
お店がミスをしたからだ。

「でしょ?」
「それがちょっと違うのよね」

違う?逆に他に何があると言うのだろうか?

「そのお客さん・・・こう言ったの」
「“差額を支払えばミスがミスでなくなる”と」

払わなければ新人さんのミスとして残るということだろう。
なるほど・・・確かに粋なお客さんだ。

(No.1166完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.1166-1]粋な客 | トップページ | [No.1167-1]暗闇のサギ »

(047)小説No.1151~1175」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.1166-1]粋な客 | トップページ | [No.1167-1]暗闇のサギ »