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[No.1167-1]暗闇のサギ

No.1167-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「あれ、見てん!」

彼女が眼下の小川を指さす。

「鳥がいる・・・サギ?」

街中にいる白い鳥は、サギだろう。
何の根拠もないが。

「つる・・・じゃないもんな」
「こんなとこに居るわけないやん!」

だったらサギで間違いない。
いや、そう言うことにしておこう。

「何してるんだろ・・・こんな夜に」
「鳥って・・・夜、あかんやろ?」

確かに夜、飛んでいる鳥を見掛けない。
まぁ、ふくろうは別にしても。

「獲物・・・狙ってる?」
「そうみたいやな」

浅瀬に立ち、じっとしている。
でも、くちばしは明らかに川の中を向いているからだ。

「じゃあ、見えてるんだ」
「こんな暗闇でも」

街灯も何もない場所だ。
周りの家の灯りで、辛うじて明るさを保っている。

(No.1167-2へ続く)

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