[No.1167-1]暗闇のサギ
No.1167-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
-----------------------------
「あれ、見てん!」
彼女が眼下の小川を指さす。
「鳥がいる・・・サギ?」
街中にいる白い鳥は、サギだろう。
何の根拠もないが。
「つる・・・じゃないもんな」
「こんなとこに居るわけないやん!」
だったらサギで間違いない。
いや、そう言うことにしておこう。
「何してるんだろ・・・こんな夜に」
「鳥って・・・夜、あかんやろ?」
確かに夜、飛んでいる鳥を見掛けない。
まぁ、ふくろうは別にしても。
「獲物・・・狙ってる?」
「そうみたいやな」
浅瀬に立ち、じっとしている。
でも、くちばしは明らかに川の中を向いているからだ。
「じゃあ、見えてるんだ」
「こんな暗闇でも」
街灯も何もない場所だ。
周りの家の灯りで、辛うじて明るさを保っている。
| 固定リンク | 0
「(047)小説No.1151~1175」カテゴリの記事
- [No.1179-2]カモとゴミ(2023.04.13)
- [No.1175-2]100円の重み(2023.03.28)
- [No.1175-1]100円の重み(2023.03.26)
- [No.1174-2]私の仮説(2023.03.24)
- [No.1174-1]私の仮説(2023.03.23)
コメント