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2023年2月

ホタル通信 No.524

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

特別編

2023年2月22日で、ブログを始めて14年が経過し、15年目に入りました。今まで訪れてくれた全ての皆さんに感謝すると共に、最近頻繁に拍手を送ってくださる読者の方、ありがとうございます。

さて、最近の投稿はと申しますと・・・小説のストックがないどころかネタが生まれるきっかけである日常生活からの“気付き”もなく、ピンチと言えばピンチです。
続ける勇気と止める勇気に悩みながらも、細々と続けているのが現状です。何度か書いていますが、感性が鈍ったのか、日常に興味を失ったのか・・・。それでも、ここまでくると、質がどうであれ「続けてやろう!」と思っている自分も居ます。

日常をテーマにしているのは当初から変わっていませんが、母が他界してからは少しだけ方向性が変わったかもしれません。それまでは母をテーマにした小説はほとんど書いてこなかったのですが、母の死をきっかけにそれが増えて行きました。誰もが通る道とは言え、人生観が大きく変わったのは間違いありません。

続ける事がブログの目的のような感じになっていることは否めませんが、それに関して突っ込まれるほど人気があるわけでもないわけですから、細く長く、これからも続けて行こうと、あらためてそう考えています。まずは、これから1年、そして次の1年と着実に時を重ねて行きいます。

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[No.1167-2]暗闇のサギ

No.1167-2

「あっ!」

サギのくちばしが素早く動いた。
もちろん、狙うは川の中だ。

「捕まえた?!」
「かもしれへんな」

ここからだとさすがにそこまでは分からない。
でも、さっきとは動きが違う。

「やっぱり、捕まえたんだろうな」

それにしても、この暗闇で目が利くとは驚きだ。
川の中ともなればさらにハードルが上がる。

「すごいな!サギ!」

サギと決まったわけじゃないが、今はよしとしよう。
とりあえずの名前がないと話が進まない。

「だよな!」

その後も、さっきまでと同じように獲物を狙っている。
僕たちが見ているとも知らずに。

「なんか、他人とは思えへん」
「他人?サギのことか?!」

彼女が唐突にサギを自分にたとえ始めた。

「今の私みたいで」

(No.1167完)
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[No.1167-1]暗闇のサギ

No.1167-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「あれ、見てん!」

彼女が眼下の小川を指さす。

「鳥がいる・・・サギ?」

街中にいる白い鳥は、サギだろう。
何の根拠もないが。

「つる・・・じゃないもんな」
「こんなとこに居るわけないやん!」

だったらサギで間違いない。
いや、そう言うことにしておこう。

「何してるんだろ・・・こんな夜に」
「鳥って・・・夜、あかんやろ?」

確かに夜、飛んでいる鳥を見掛けない。
まぁ、ふくろうは別にしても。

「獲物・・・狙ってる?」
「そうみたいやな」

浅瀬に立ち、じっとしている。
でも、くちばしは明らかに川の中を向いているからだ。

「じゃあ、見えてるんだ」
「こんな暗闇でも」

街灯も何もない場所だ。
周りの家の灯りで、辛うじて明るさを保っている。

(No.1167-2へ続く)

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[No.1166-2]粋な客

No.1166-2

「まぁ、多く請求したわけじゃないから」
「お客さん的には実害ないわね」

お店には悪いが、ラッキーだったと言えよう。
でも、粋なお客さん・・・という言葉が気になる。

「そう言えば、何が粋なの?」
「ほら、店は差額は請求しない・・・って言ったでしょ?」

でも、お客さんは差額を支払うと言っていたようだ。

「私なら・・・お店の好意に甘えちゃいそう」
「だよね!私もw」

けど、その程度なら粋とは言えない。
ある意味、当たり前と言えば当たり前だからだ。

「差額を払うっていう理由がね・・・」
「払う理由?」

そんなのは簡単だ。
お店がミスをしたからだ。

「でしょ?」
「それがちょっと違うのよね」

違う?逆に他に何があると言うのだろうか?

「そのお客さん・・・こう言ったの」
「“差額を支払えばミスがミスでなくなる”と」

払わなければ新人さんのミスとして残るということだろう。
なるほど・・・確かに粋なお客さんだ。

(No.1166完)
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[No.1166-1]粋な客

No.1166-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「昨日、粋なお客さんが居たんだよ」

朝、同僚が前振りもなく話しかけてきた。

「いきな・・・って、あの?」
「他にあるの?」

あまり聞くことがない言葉だ。
私自身、一度でも使ったことがあるだろうか?

「昨日ね、ファストフード店でランチしてたら・・・」

店員がお客さんに何やら説明を始めたらしい。

「どうやら、料金を間違えたらしくて」

品物を安く提供してしまったらしい。
本来、800円のところを700円で・・・というように。

「で、本来は800円ですよ」
「今回は差額を請求しませんが・・・と」

店側の“嫌味”ではないことは分かる。
次、買いに来た時に揉める原因になるからだ。

「そうそう!」
「前は700円だったのに!ってね」

だから、あえて説明したのだろう。

「どうやら新人さんのミスだったみたい」

店長らしき人と二人で説明していたからだ。

(No.1166-2へ続く)

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ホタル通信 No.523

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.556 悲しみは深く
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:女性

テーマとして決して明るくはないですが、冬のホタルらしい小説です。この話はいくつかの事実を織り交ぜたような構成です。

読んでいただければ分かるように、友人の死がテーマですが、実は友人ではなく、しかも前述した通り、いくつかの事実を織り交ぜています。
このタイプの小説はいくつか作っていますが、ひとりの事実に焦点をあてるとリアルになりすぎるため、オブラートに包み、少しぼかした効果を出しています。日常や事実を小説にはしているものの、そこは一線を画すようにしています。

この小説には、三人の死が関わっており、皆さん、札幌の方です。先輩が二人、そして残る一人は私の素性のヒントになってしまいますのでが、非公開です。それぞれ他界した時期は異なりますが、関りが深かった方々です。
後半の墓参りのシーンは、その非公開の人です。その人の墓参りに行った時に、周りには沢山の花が供えられているにも関わらず、私の供えた花にだけ、はちが寄ってきて、つぼみの花の中に潜っては花粉なのか蜜なのか分かりませんが、せっせと集めていました。

これを神秘的な出来事として捉えようとは思いませんでしたがそう思いたい自分が居たのも事実です。

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[No.1165-2]安否確認

No.1165-2

「さてと・・・」

いつも通り、頭、体の順に洗う。
それからもう一度、湯船に入る。

「お風呂、嫌いじゃないんだよな」

さっき思っていたことを口にした。
特に意味はないが。

「ん~・・・」

お風呂で色々と想いを巡らせるのが好きだ。
リラックスが良い効果をもたらすからだ。

「あっ!そうか!」

さっそく良いアイデアをひとつ思い付いた。

「・・・」

今度は逆に何も考えずに過ごす。
この時間も大切だ。

「もしもし?」

彼女がドア越しに話かけてきた。

「ちゃんと居るかなって・・・」

ちゃんと居る・・・どう言う意味だろうか?

「どう言うこと?」
「なかなか出てこないから、安否確認したの」

(No.1165完)
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[No.1165-1]安否確認

No.1165-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「お風呂、入っていいよ」

彼女がお風呂から上がってきた。

「・・・分かった」
「寝ちゃう前に入ってよ」

僕の気のない返事に先手を打ってきた。
確かに・・・寝てしまう寸前だった。

「ふ~・・・入るか」

お風呂は嫌いではない。
でも、夜、眠くなると状況が一変する。

「眠気には勝てないんだよな・・・」
「そう言わないで早く!早く!」

彼女に手を引かれて浴室に向かう。
まるで子供だ。

「じゃ!」
「はいはい・・・」

そうこうしているうちに眠気も少し覚めてきた。

「温まるのよ」
「そうする」

今日は底冷えした一日だった。

「ふ~・・・温まるな」

長風呂するには丁度良い温度だ。

(No.1165-2へ続く)

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[No.1164-2]ストローなかまぼこ

No.1164-2

「何だかすごく食べたくなってきた」
「けどさ・・・」

もちろん、通販で取り寄せれば済むことだ。
でも、祖父母の家で食べるから幻なんだ。

「かまぼこだけでなく、雰囲気とか・・・ね」

田舎だけに空気も綺麗だった。
特に朝なんて、森林の匂いがしたくらいだ。

「なるほどね・・・」
「私が思うほど単純じゃなかったのね」

全てが揃ってこその味だった。
別にグルメじゃないけど拘りたかった。

「おばあちゃんの優しさも加わって」
「分かる気がする」

だから、通販だけでは解決しない。
そもそも祖父母は他界し、家もなくなってしまった。

「それは・・・もう無理ね」
「だから幻なんだよ、ある意味」

そのため、取り寄せることをしなかった。

「でも・・・」
「どうしても食べたくなった?」

彼女の言葉に小さく頷く自分がいる。
今更、何が自分をそうさせたか分からないが。

「で、そのかまぼこって?」
「“平戸 かまぼこ”で、ググってみてよ」

(No.1164完)
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[No.1164-1]ストローなかまぼこ

No.1164-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
もう一度、食べたい食べ物がいくつかある。
これはそのひとつだ。

「かまぼこ?」
「普通に売ってるよね?」

そう・・・普通のはどこにでも売っている。
それなら“もう一度”なんて思わない。

「珍しいかまぼこなの?」
「まぁな」

とは言え、ネット時代だ。
簡単に通販で手に入る。

「なんだ・・・幻の!なんて思ってたよ」
「大袈裟に言うから」

けど、あながち間違ってはいない。
ある意味、幻かもしれない。

「どういうこと?」

夏休み、長崎に住む祖父母の家によく行った。
その際、朝食や夕食にそれが出てきた。

「そのかまぼこを刺身醤油で」
「魚の旨味がすごくてさ・・・」

子供ながらにその美味しさに惹かれた。
祖父母の家に行く楽しみのひとつでもあった。

「かまぼことは・・・渋い子供だったのねw」
「それほど美味しかったからね」

今でもその味を覚えているくらいだ。

(No.1164-2へ続く)

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ホタル通信 No.522

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.571 予行練習
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性

最初にお話しておくと、話の主軸である「あの鳥」の正体は分かっていません。

分かっていないのは、謎の鳥・・・というわけではなく、鳴いている姿を見たことはありますが、木の上で鳴いているため、名前が分かりません。とにかく、ちょっとイラッとするくらい、かなり甲高い声で鳴いています。
それが早朝に聞こえようものなら、私にとっては地獄です。神経質な私は、少しの物音でも目が覚めてしまい、二度寝できないタイプなので、それはそれは寝不足になり・・・。まぁ、その鳥には何の罪もありませんが、少しは気を遣って欲しいな、と思っています。

さて、そんなこんなが前振りとなり、ラスト付近の話に繋がります。尚、この部分は創作であり、事実ではありません。
この話はラストが決まってから書いたのではなく、鳥の鳴き声で悩まされている現実を淡々と書いていたら、そこそこいけそうなラストを思い付いた次第です。
何度か記事にはしていますが、ラスト、つまりオチが決まってから小説を作ることはそう多くはなく、漠然と日常のことを描いていたら、それらしいラストを思い付く・・・これが私のスタイルです。もちろん、100%事実の小説は、ラストさえも事実なので、何とも有難いものです。

騒音も嫌味も、これから起こるであろう何らかの出来事の予行演習と思えば、少しは気が楽になるのかな?と思う、今日この頃です。

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[No.1163-2]吼えない犬

No.1163-2

「それは凄いね・・・」
「だから、売れ残ったんだと思う」

なかなか買い手がつかなかったようだ。
気性の荒さと言うか、吼え癖のせいで。

「それでも何度か帰っていたら」

徐々に吼える時間が短くなって行った。
そして、ついには・・・。

「吼えなくなった?」
「そうね、ほとんど」

それどころか、リードを見せると寄ってくるようになった。
そして、散歩に連れ出すことにも成功した。

「すごい進歩!」
「だよねw」

でも、ここ1年くらいで状況が大きく変化した。

「1年前に帰った時・・・全く吼えなくて」
「立ち上がってもヨロヨロするばかりで」

人間で言えばもうおじいちゃんのはずだ。
だから、年相応とは思っていた。

「で、先週、帰ったら・・・」

部屋に入っても吼えられるどころか寝たままだった。
あれだけ、敏感だったのに。

「ようやく目を覚ましても・・・何か・・・ね」
「元気が無かったのね?」

一度も立ち上がることなく私を見つめたままだった。

「昔のことを思い出すとね・・・」

吼えてもらった方が、嬉しい時もある。

(No.1163完)
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[No.1163-1]吼えない犬

No.1163-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
実家で、柴犬を飼っている。
かれこれ15年以上、生きている。

「初めて会ったのは・・・」

まだ子犬のころだった。
実家に帰ると・・・それが居た。

「知らなかったの?」
「うん、知らされてなかった」

それはさておき・・・。
嬉しいサプライズになる・・・はずだった。

「はずだった?犬は好きだよね?」
「好きよ」

本来なら可愛い子犬との対面だ。
嬉しくないはずがない。

「ならどうして?」
「その子犬・・・」

私を見るなり、吼え始めた。
いや・・・正確には私を見る前に吼えていた。

「見る前に?」
「うん、玄関に近付いたあたりから」

何かを察して吼え始めたようだ。

「家族に聞いたら、いつもだって」

そう・・・吼え癖がある犬だった。
いつも顔を合わせる家族以外、吼えるらしい。

「番犬にはいいけどねw」
「そうなんだよね」

けど、笑えるレベルにはなかった。
一度、吠え出すと、私が居なくなるまで続いた。

(No.1163-2へ続く)

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[No.1162-2]水の音

No.1162-2

「夜になると、星の瞬きまで聞こえてそう」
「それは言い過ぎw」

言葉とは裏腹に、納得の顔をしている。
それだけ、静かだということだ。

「子供の頃は、川でよく遊んだよ」
「私も!」

大雨ではない限り、穏やかな川だった。
だから、子供らの遊びのスポットでもあった。

「ちょっとした草むらに秘密基地作ったり」
「そうそう!」

拾ってきたゴミは、秘密基地の一部に変わった。

「そこで何をするわけでもなく」
「のんびり過ごして・・・」

それこそ、川の音が聞こえてきた。
それに、水面できらめく太陽の光さえも・・・。

「キラキラ!って聞こえてきたよ」
「分かる!分かる!」

田舎・・・郊外に住んでいた者同士、通じるものが多い。

「今度、お互いの実家に行ってみない?」
「それ・・・ナイスアイデア!」

幸いにも、お互いそれほど遠くはない。
十分、日帰りできる。

「で、どっちが都会か勝負よ!」
「あははw」

(No.1162完)
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[No.1162-1]水の音

No.1162-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
実家のある場所はお世辞にも都会とは言えない。
けど、極端な田舎でもない。

「いわゆる郊外ってやつね」
「微妙な表現w」

昨日、用事で実家に帰った。
実に2年半ぶりの帰省になった。

「だから余計に感じるのよね」
「実家が静かな場所にあるって」

確かに、田んぼや畑も少なくはない。
けど、それなりの住宅街でもある。

「それなら・・・郊外ねw」
「でしょw」

それに近くには大きな川が流れている。

「周りが静かだから」
「水の流れる音が聞こえてくるの」

でも、実際に聞こえているわけではない。
自然の音というか・・・心地よいざわめきが聞こえてくる。

「分かるな、それ!」
「私も同じような環境だから」

聞けば友人も、郊外に住んでいたらしい。

「多分・・・あなたよりは都会だけど?」
「ここに来て、都会自慢w」

草木がこすれる音や風の音・・・。
それらは本当に聞こえてくる。

(No.1162-2へ続く)

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ホタル通信 No.521

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.577 白紙のページ
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性

私の中では今でも祭りは“秋”です。稲刈りが終わり、田んぼが寂しくなったころにそれがやってきます。

近くに神社がいくつかあったこともあり、祭りには恵まれていました。もちろん、夏祭りもありましたが、なぜかしらそれほど印象には残っていません。特別何かが違うわけではありませんが、結果的にそうなっているとしか説明ができません。
ただ、小説にも書いた通り、秋になると温かい食べ物が増え、湯けむりと言いましょうか・・・アチコチで立ち上る湯気に、夏とは違う活気を感じていたからかもしれません。

さて、記憶は定かではありませんが、小説のキッカケは祭りではなく、タイトルでもある「白紙のページ」でした。つまり、先にオチがあってそれに肉付けしたような感じです。冬のホタルでは比較的多い小説作りのパターンです。
白紙のページとは、恋愛に関して何も無かった青春時代・・・を表したものです。逆に何かありそうな“祭り”のエピソードを展開することで、よりオチを際立たせようとしました。

最近は、昨今の環境に関係なく、祭りに行くことがめっきり減りましたが、機会があれば地元の祭りに顔を出したいな・・・とホタル通信を書きながらそう思っています。

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[No.1161-2]ビー玉

No.1161-2

「とりあえず・・・」
「このあたりに置いておく?」

取りに来る可能性は限りなくゼロに近いが。

「そうね」
「大事なものかもしれないから」

その可能性は十分ある。

「他には落ちてない?」
「・・・探してみる」

念のため、周囲を探してみる。
どうやら、この一個だけのようだ。

「じゃあ、このあたりに・・・」
「それがいいね」

砂場の近くに目立つように置いた。

「本人が取りに来なくても」
「誰かがこれで遊ぶさ」

警察に届けるほどの物じゃない。
それに、この方がビー玉も本望だろう。

「確かにw」
「俺なら砂で山を作ってさ!」

さらに溝を掘ってビー玉を転がす・・・。

「・・・どうかな?今」

(No.1161完)
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