[No.1159-1]焦らず急いで
No.1159-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「プッ!」
思わず吹き出してしまった。
その女性の行動に。
「なになに?!思い出し笑い?」
「ごめんごめん」
何があったのか、詳しくは分からない。
けど、状況的に、十分推測はできる。
「ほら、あの女性・・・」
正しくは女性と言うより、女の子に近い。
20代前半に見える。
「プッ!あっ・・・」
「そうなるだろ?」
彼女もそれを見て笑ってしまったようだ。
「歩き方が・・・変・・・というか」
「可愛くもあるだろ?」
一言で表せば、競歩の様な歩き方をしている。
少なくとも走ってはいないからだ。
「確かに競歩っぽい!」
「真相は多分・・・」
その女の子は、目の前を横切り、ある人の元へ駈け付けた。
ある人・・多分、自分の店の客だと思う。
「忘れ物があったのかも」
何かを届けたように見えたからだ。
そして、帰りも同じように競歩っぽく歩いてきた。
「ほら、こんな人ごみだろ?」
走るわけにはいかない。
でも、急がないと客を見失ってしまったはずだ。
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