[No.1159-2]焦らず急いで
No.1159-2
「なるほど・・・」
「だから、あんな歩き方なのね!」
別の表現をすれば“焦らず急いで”いた。
その証拠に表情は冷静そのものだった。
「何事もなかったように振舞ってるよね」
「あははwだね!」
ある意味、人ごみに溶け込み仕事をこなす・・・。
まるで探偵かスパイのような人だ。
「早い話、プロってこと!」
「そうだよな」
それにしてもすごい人ごみだ。
さすがクリスマス前・・・という感じだ。
「特にここはおもちゃ売り場だし」
他のフロアーよりも熱気を感じる。
「いつもより、することありそうだしね」
「ラッピングとか・・・」
確かに普段よりも仕事量は増えそうだ。
実際、レジにも行列が出来ている。
「ほら、あの子・・・」
さっきの女の子もレジで忙しそうだ。
でも、表情はやはり冷静に見える。
「頼もしいね!」
「だよな、若いのに」
その子の頑張りもあり、行列も解消されつつある。
「がんば・・・あっ!」
「プッ!」
またその子が走り出した・・・ラッピングされた荷物を抱えて。
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