[No.1156-1]二人の距離
No.1156-1
登場人物女性=牽引役
男性=相手
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「何してるの?」
「見ての通りだよ」
分からないから聞いているのに。
「あのね・・・」
「あっ・・・距離を調べてる」
鬼の形相が効いたみたいだ。
「距離・・・?」
「ほら、午前中、散歩に出掛けただろ?」
最近、土日は近所を散歩することにしている。
彼も誘って。
「付き合ってくれてありがとうね」
「一人で歩くのも・・・ね」
黙々と歩くのは性に合わない。
断然、おしゃべりしながら歩きたいタイプだ。
「で、相当歩いただろ、特に今日は」
「ごめん!調子が良かったので・・・」
なぜだか遠出したくなった。
感覚的には普段の二倍近い距離を歩いたように思う。
「別に気にしてないよ」
「むしろ、有り難いくらいだよ」
そう言うと自分のお腹を叩いてみせた。
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