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[No.1148-2]力強いお湯

No.1148-2

「あること?」

実は薪のお風呂で思い出すのは薪ではない。

「薪の匂いの記憶なのに?」
「うん、それよりも」

薪で焚かれた水・・・つまり、お湯だ。

「珍しいな、お湯が思い出なんて」
「なんて言うのかな・・・」

薪で炊かれた水は、どこか力強く感じる。
いや、絶対、何かが違う。

「その表現、新しいなw」
「そうね、私もそう思う」

単なる気持ちの問題かもしれない。
薪のお風呂に入っている・・・それがそんな気持ちにさせる。

「でもね・・・芯まで温まるの」
「心も体もね」

そんな匂いがさっきしてきた。
どこからともなく・・・。

「薪のお風呂があるとか?」
「それはないでしょw」

近くに銭湯はない。
ましてや、そんな家もあるわけがない。

「単なる秋の匂いなのかな・・・」
「今度、行こうよ!そんな場所に」

(No.1148完)
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