[No.1147-2]ハートの形
No.1147-2
「それだよ、それ!」
「直接的な答えじゃないけど」
何だか謎解き風な展開になってきた。
彼がストレートに言わないからだ。
「手作りが嬉しいってこと?」
「それもあるけど、ほら・・・」
多分、褒められているとは思う。
けど、答えが見えず、イライラしてきた。
「もう!ハッキリ言ってよ・・・」
「じゃあ、言うよ・・・」
一応、緊張してみる。
「形だよ、ハンバーグの」
しまった・・・。
手作りとは言え、形が雑だったようだ。
「ごめん!変な形だよね?」
「変?謙遜しちゃって!」
ゴール直前で振り出しに戻された気分だ。
「いや、だから、意味分かんない・・・」
照れる、変な形、謙遜・・・更に混乱してきた。
「ハンバーグ、ハートの形にしたんだろ?」
「ハート!?えっ・・・き、気付いちゃった・・・」
彼は気付いていない。
たまたまそのような形になってしまったことを。
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