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[No.1146-1]だから、それを

No.1146-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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母が亡くなった後にある重大なことに気付いた。

「何だか重そうな話ね」
「ごめん、ごめん、そこまでは・・・」

生前、実家に立ち寄った時の話だ。
幼い頃のガラクタを渡された。

「ガラクタ?」
「あぁ、下手くそな絵とか」

何だか分からない陶器のような物もあった。
どうやら幼稚園の時の作品らしい。

「よくとっておいたわね」
「ほんとだよ」

この年になるまで全く知らなかった。
その存在を。

「まぁ、言う機会もなかったと思うけど」
「どうして?」

卒業後、実家を離れて働きだした。
それも相当遠い場所で。

「確かに」
「だから、そうそう実家にも寄れなかったし」

そんなこんなで言う機会を失っていたと思う。
でも、その機会が巡ってきた・・・皮肉なことに。

(No.1146-2へ続く)

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