[No.1146-2]だから、それを
No.1146-2
「もしかして・・・」
「うん、多分考えている通りだよ」
母が亡くなる半年前・・・・それがあの日だ。
そう、ガラクタを渡された日だ。
「その時は完治してたって聞いてたんだ」
「ガン・・・だったよね?」
難しい場所だったけど早期発見が功を奏した。
だから、安心していた。
「もちろん、病気が病気だけに」
「気にはしてたけど」
術後、数日で退院し、見舞いにも行けなかったほどだ。
それだけ順調だった。
「だからガラクタを受け取った時」
「特に何も考えてなかったんだ」
その数か月後、再発を聞かされた。
それだけじゃない・・・。
「余命を告げられて・・・さ」
「・・・隠してた?」
それしか考えられないほどの進行の早さだった。
もちろん、母が一番知っていたことだろう。
「だから、それを俺に・・・」
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