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[No.1148-1]力強いお湯

No.1148-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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気のせいだろうか・・・懐かしい匂いがした。

「懐かしい匂い?」
「うん、薪のね」

友人がキョトンとしている。
ちょっと唐突過ぎたのかもしれない。

「薪が焼けるというか、火の匂いというか・・・」

うまく説明できない。
頭の中ではある光景が浮かんではいるが。

「それならその光景を言えばいいじゃん」
「素直に」

それもそうだ。
あえて遠回しに言う必要もない。

「お風呂・・・薪のお風呂・・・」
「えっ!?」

祖父母の家は薪のお風呂だった。
それこそ、時代劇に出てきそうな代物だった。

「煙突も付いてて」
「ほら、ここ・・・火傷の跡」

はしゃぎ過ぎて、ひじが煙突に触れてしまった。
良くも悪くも、その痕跡がここに残っている。

「楽しかったな」
「・・・光景が目に浮かぶよ」

匂いだけではなく、あることも思い出される。

(No.1148-2へ続く)

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