[No.1140-2]小さな虫
No.1140-2
「さっき、最初は小さかった・・・って言ったよね?」
「そう!私も気になってたの」
もちろん、エサがなくても大きくはなれると思う。
人間ほどやわじゃないと思うから。
「でも、1ヶ月も飲まず食わずじゃ・・・」
「確かにそうよね」
やつが何をエサにしているかは知らない。
でも、食べ物のカスくらいなら床に落ちている。
「それを食べてるかもしれない」
「あははwかもね!」
真相はさておき、成長はしている。
それが嬉しくもある。
「よくそんな感情がわくわね?」
「だよね、ほんと不思議」
気持ち悪い存在でしかないのに、愛情さえ感じる。
何が私をそうさせているのか分からないが。
「このまま育てるつもり?」
「うん!放任主義だけどw」
まさか、エサを与えるわけにもいかない。
それには手を加えないつもりだ。
「今まで何とかなってきたし」
「これからもそうなんじゃないの?」
とは言いつつも、気にはなる。
「どうするの?巨大化したら?」
「その時はその時よ!」
外に出したっていい、もともとそうなんだし。
「それはそうと・・・ムカデって虫じゃないよ」
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