[No.1140-1]小さな虫
No.1140-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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1ヶ月くらい前からだろうか・・・。
一匹の虫が顔を出すようになった。
「何の虫?」
「ムカデの小さいやつみたいな」
体長は1.5cm位で、クネクネ動く。
ムカデのような脚がある・・・ように見える。
「1.5cmでしょ?それに目が悪いから」
だから雰囲気でそう決めた。
ムカデみたいなやつと。
「どこに居るのさ、今は?」
「今も昔もトイレに」
最初はもう少し小さかったと思う。
用を足している私の視界にそれが入ってきた。
「・・・やけに冷静ね」
「普通、キャー!とかならない?」
確かにその通りだと思う。
実際、全般的に虫は嫌いだ。
「ならどうして?」
「何でだろう・・・自分でも不思議に思ってる」
それほど大きくなかったからかもしれない。
「で、目を離した隙に居なくなって」
でも、時々、顔を現す。
出会うのはいつもトイレの中だ。
「トイレがすみかなのかしら?」
「さぁ・・・どうだか」
別に閉じ込められているわけではないだろう。
ドアの隙間から出入りできる大きさだし。
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