[No.1139-1]時代
No.1139-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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中学生の頃だった。
男子の間で、急にそれが流行りだした。
「急に?」
「思春期ってことも関係してたかもな」
不良に憧れる・・・一度は通る道だと思う。
そんな時代背景もあったし。
「何なのそれ?」
「ハンドルだよ」
彼女がキョトンとしている。
無理もないだろう。
「ハンドル・・・えっ!ハンドル!?」
「自動車の・・・じゃないぞ」
念のため、先に言っておいた。
「じゃあ、何の?」
「自転車に決まってるだろ?」
それでも表情が冴えない。
色々な疑問が頭を駆け巡っているに違いない。
「なんでハンドルが流行るのさ?」
「ハンドルに流行ってあるわけ?」
もっともな質問だ。
逆の立場ならそうするからだ。
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