[No.1144-2]ペラペラ
No.1144-2
「布?」
「そんなベルトあるの?男性用で」
その言い方だと女性用はあるみたいだ。
「そりゃそうよ!」
僕が言う布とは多分、違う。
早い話、ショルダーバックのあの紐の部分に近い。
「ほら、平たい布というか・・・」
「・・・何となく分かる」
つまり、その部分の素材と同じようなベルトだ。
「よくそこまで言い切れるわね?」
「そりゃそうさ!」
懐かしさの理由がそこにあるからだ。
「そこにある?」
「だって、少なくても中学生まではそれだったから」
高校生はどうだったか、ハッキリとは覚えていない。
高校生の時も、そのベルトだったような・・・。
「当時は何も感じなかったけど」
「今、見るとさぁ・・・」
そのチープ感とそして、幼さが同居している。
それに、ペラペラなのだ。
「ペラペラ?」
「なにそれ?」
それはそのベルトを付けた者しか分からない。
一言で言えば、はみ出した部分が・・・。
「ペラペラはペラペラなの!」
あえてそれには答えないでおこう。
もう少し、余韻を楽しむために。
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