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[No.1132-2]さつまいも

No.1131-2

「大袈裟さだけどね」
「どの家だってあるわよ、そんなこと」

さつまいもにまつわる話は他にもある。
けど、今回は黙っておこう。

「と、いうわけで!」
「どういうわけよw」

一口食べてみる。
当たり前だが、さつまいもの味がする。

「食べるたび、懐かしさがこみ上げてくるよ」

特別有名な品種でなくてもいい。
いや、むしろごく普通のさつまいもがいい。

「何だか深いね」
「かもな・・・」

何だかんだ言っても結局すきなんだと思う。
さつまいものことが。

「私も好きよ」
「そうだっけ?」

その割にはさつまいもを選んだ姿を見たことがない。
いつも、違うものを選んでいる。

「あら?よく観察してるわね」
「好きなら食べればいいだろ?」

別に何も問題はない。
好きなものが、かぶったところで。

ところがある日、悲劇が起きた。

「じゃ、遠慮なく!」

残り1個のさつまいもを彼女にとられてしまった。

(No.1131完)
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