[No.1130-2]きっかけは私
No.1130-2
「きっかけ?」
「さぁ・・・何だろうね」
とは言うものの、ある日、突然ではないはずだ。
何らかのきっかけがあると思う。
「よく考えてよ」
「そうだなぁ・・・」
腕組みをして考え始めた。
「・・・そう言えば」
「あの時からかもしれない」
彼が半年前の出来事を話し始めた。
それは・・・彼の誕生日の出来事だ。
「誕生日・・・?」
「ほら、手料理を作ってくれただろ?」
確かに作った。
でも、七味は使っていない。
「ハンバーグがさぁ・・・」
「えっ!?」
ここに来て、不安の波が押し寄せてきた。
少なからず心当たりがあるからだ。
「まさか・・・」
「うん、その“まさか”」
いつものハンバーグの味と違った。
レシピも同じで、作り方も完璧だったはずなのに。
「間違って七味入れちゃってたの!?」
「でも、ちょっとピリ辛で」
それがやたら美味しかったらしい。
どうやらきっかけは・・・私だったみたいね。
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