[No.1133-1]緑の座席
No.1133-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「この電車も変わったよな?」
「そうかしら?」
いや、かなり変わった。
「ドアのところにボタンがあるし」
「昔は二人掛けの座席はなかっただろ?」
通路に平行に並ぶ座席・・・。
ごく一般的な作りの電車だった。
「行先表示のディスプレイだってあるし」
「言われて見れば・・・」
まぁ、地元ならではの反応だろう。
変化に気付き難い・・・地元あるあるだ。
「特に変わったのが座席だよ!」
「さっき言ってたよ?」
二人掛けのことじゃない。
「色だよ、色!」
「色って・・・何の?」
やはり、気付いていないらしい。
もう一度言うが、地元あるあるだ。
「座席に決まってるだろ」
「昔は緑一色だったよな?」
原色の緑ではなく、エメラルドグリーンだ。
誇張すれば。
「あははw」
「でも、確かにそうよね」
それが今ではカラフルな模様に変わった。
それが何だか寂しくもある。
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