[No.1136-2]流され橋
No.1136-2
「徒歩なら・・・30分くらいかかるかな」
「そんなに!?」
近くて遠い・・・まさしくこのことだ。
「で、話を戻すと」
「その橋が・・・」
台風や大雨で、頻繁に流されていた。
なんせ木造の貧弱な橋だったから。
「怖っ!」
ただ、そんな貧弱な橋もしぶとい一面があった。
「しぶとい?」
「うん、何度も復活するの」
流されてもすぐに架け直されていた。
簡素な構造がゆえに。
「それなら、鉄製の橋でも架けたらいいのにね」
「言えてるw」
でも、後で聞いた噂によると・・・。
わざと流されるように作られていたらしい。
「そうなの?」
「理由はよくわからないけど」
安全上の・・・ということらしい。
下手に耐えるより、あえて壊れるように。
「理解できるような、できないような・・・」
「私もそうよ」
ちなみに、その橋は今はもうない。
代わりに流されようがない大きな橋が近くに架かっている。
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