[No.1127-1]私は一軍
No.1127-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「そう急ぐなよ・・・」
「ダメなの!」
最近、彼女からある言葉を耳にするようになった。
その使い方が何とも個性的だ。
「開店までに後1時間以上もあるんだよ?」
「一軍がいいの!」
その言葉とは、“一軍”だ。
半年くらい前から言い始めたと思う。
「大丈夫だよ、ほら、誰も並んでいないだろ?」
有名ラーメン店が視界に入る。
幸い、まだ誰も並んではいない。
「ほんとだ!急ぐわよ!」
「俺の話、聞いてる?」
誰も並んでいないなら急ぐ必要もない。
仮に並んだとしても、余裕の順番だ。
「一軍の一番がいいの!」
「はいはい・・・」
彼女曰く、並んで食べるのは苦にならないらしい。
けど、列の後ろに並ぶのは嫌らしい。
「はぁ、はぁ・・・着いた!」
「息・・・切れ・・・てる・・・じゃん・・・」
一応、僕も負けじと音を追う。
だから、息も絶え絶えだ。
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