[No.1125-1]不思議の原点
No.1125-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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今でも不思議に思っていることがある。
「あのさぁ、覚えてる?」
「なによ、唐突に・・・」
高校生の時、音楽鑑賞部に在籍していた。
文字通り、弾くのではなく、聴くだけの部活だった。
「それは知ってる」
「私も入ろうかな?って考えてたから」
普段は教室で音楽を聴いていた。
でも、文化祭のときだけは違った。
「ホールというか、大学の教室のような場所で」
生徒が座るエリアが階段状になっているアレだ。
「ちょ、ちょっと待って!」
「うちの学校に、そんな場所あったっけ?」
そう・・・不思議に思っているところはそこだ。
音楽を聴いている記憶はあるけどホールの記憶はない。
「えっ・・・どういうこと?」
「ややこしくてごめん・・・」
そこで聞いた曲名もアーティストも覚えている。
場所も覚えている。
「ますます分かんない!」
「私もw」
話を戻すと、通っていた学校にホールらしきものはない。
でも、文化祭の時、そこで音楽を聴いた記憶がある。
「やだぁ・・・もしかして怖い話?」
「そんなんじゃない」
記憶が交錯している・・・そんな感じだ。
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