[No.1121-1]後ろ通ります
No.1121-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「えっ!?」
「えっ!?」
ほぼ同時に、驚きの声をあげた。
もちろん理由は分かっている。
「親かと思った」
「私もよ」
友人と歩道を歩いていた時だ。
後ろから1台の自転車が私たちを追い抜いた。
「礼儀正しいと言うか・・・」
「そうよね」
追い抜く前に、背後から声が聞こえた。
“後ろ通ります”と。
「ベルで済ます人が多いもんね」
「そうそう!邪魔だよ!って感じで」
だから声を掛けられたことは一度もなかった。
でも、それくらいでは二人とも驚いたりはしない。
「親の教育がいいのかしら?」
「そう思うよね」
そう・・・追い越して行ったのは子供だった。
それも小学1年生くらい幼かった。
「大人でも言えないよね?」
「確かに」
さっき言ったようにベルで威圧してくる人が多い。
特に・・・は。
「後ろに目は付いてないってーの!」
「だよねw」
話題が賞賛から愚痴に変わりつつあった。
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