[No.1123-1]私の流儀
No.1123-1
登場人物女性=牽引役
女性=相手
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「イチゴじゃなくていいの?」
「うん、私はこれ」
数あるテイストから、ひとつを選んだ。
この味があるのは珍しい方だろう。
「みぞれ味・・・」
「私は食べたことないけどね」
カキ氷の定番はイチゴだと思う。
続いて、メロン・・・その次からは好みが分かれる。
「カキ氷に白い蜜を掛けてもばえないじゃん!」
「別にばえる必要なんかないし」
見た目より味だ。
でも、イチゴやメロンが嫌いなわけじゃない。
「ならどうして?」
「小さい頃ね・・・」
母親が手作りのアイスを作ってくれた。
手作りといっても、砂糖水を凍らせただけだったが。
「市販のアイスを食べた後に」
「容器を再利用して」
さすがに市販のカキ氷のアイスのようには行かなかった。
「甘い大きな氷の塊って感じだった」
「・・・硬そうね」
実際、硬かった。
それをスプーンでほじりながら食べていた。
「まず、真ん中を掘って穴を開けて」
「あなたなりの流儀ね」
そして、穴の周りを削って食べ進めて行く。
友人が言う通り、これが私の流儀だった。
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