[No.1122-2]期待に応える男
No.1122-2
「まぁ・・・そういわれたらそうよね」
「じゃなくて、フォローしてよ・・・」
周りを見れば突然の雨に慌ただしく人が動いている。
傘なしでやり過ごせる雨量ではない。
「罪悪感を感じるよ・・・」
「あなたのせいじゃないわよ」
分かってはいる。
でも、そう簡単にも割り切れない。
「あの人・・・怒ってるだろうな」
「考えすぎよ」
コンビニの軒下で雨宿りしている人が居る。
表情は見えないが仕草で・・・分かる。
「でも、恵みの雨じゃん!」
「最近、晴れが続いて水不足なんだし」
そう言われると気持ちが楽になる。
確かに誰かの役に立っているのかもしれない。
「でしょ!」
「雨を待ってる人達だっているんだから」
なるほど・・・決して雨男は迷惑男ではないってわけか。
なら、もっと降ればいい。
「そうそう!」
「今日から“期待に応える男”に改名したら」
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