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[No.1124-1]セミの夢

No.1124-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「今年はどうなの?」
「どうって・・・なにが?」

友人が唐突に意味不明な質問をしてきた。
時々、こんな質問をしてくる。

「何がじゃないわよ」
「夏と言えばアレでしょ!?」

夏・・・その一言でピンときた。
夏と言えばアレしかないだろう。

「もしかして、セミ?」
「もちろん!」

なるほど、そう言うことか。
それなら話は早い。

「今年はまだだよ」
「正確に言えば・・・」

現実世界では“まだ”だった。

「何よ、その現実世界って?」
「言葉通りよ」

ここ数年、セミとちょっとした出会いがある。
ただ、出会いと言うより、別れの意味合いが多いが。

「まだ、目の前には現れてないけど」
「夢の中で出てきたわ」

ベランダの植木鉢にセミが居た。
それが土の上をゆっくり歩いていた。

(No.1124-2へ続く)

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