[No.1116-2]男子って!
No.1116-2
「で、そのなかにうちの母親も居て」
数か月に一度、その当番が回ってきていたようだ。
「もしかして・・・」
「そう!さっきみたいに、バッタリ・・・」
母親が当番だと知らずに。
「正確には知ってたんだけど」
「忘れてた?」
そう・・・事前に聞かされていたけど覚えていない。
先のことなんて覚えておく気もなかったし。
「だよね、小学生だもん」
「そうそう!」
だから、ビックリ半分、照れ半分だった。
「さっきの他人行儀はそのせいね」
「そうだよ」
母親がすごく他人に思えた。
仕事じゃないけど、働く母の姿を見たからだ。
「何となく分かるよ」
他人に悟られないよう、横断歩道を渡った。
本当はすごく嬉しかったのに。
「男子ってほんとそんなとこあるよね」
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