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[No.1114-1]生卵のアレ

No.1114-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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いわゆる“料理男子”ではない。
見よう見まねで覚えてしまった・・・という表現が似合う。

「それって逆にすごいじゃん!」
「そうか?」

確かに器用な方だとは思う。
自分で言うのもおこがましいが、物覚えは速い。

「そうよ!私なんて不器用だから・・・」
「だから毎回僕が?」

基本、お弁当作りは僕の担当だ。
特にこれから作る玉子焼きに関しては・・・。

「そうよ、玉子焼きって、お弁当の顔じゃん?」
「そうだとは思うけど・・・」

言いくるめられているのは分かっている。
まぁ、これも一種のスキンシップだ。

「前から思ってたんだけど・・・」
「なに?」

彼女が玉子焼きの作り方について質問してきた。
僕のある行為を不思議に思っていたらしい。

「確かに・・・取ってるね」
「意識したことがなかったけど」

生卵を割る。
そして、割った後に、あることを行う。

「なんで?」
「なんでと聞かれても・・・」

あえて言うなら見よう見まねで覚えてしまったからだ。
理由は僕にも分からない。

(No.1114-2へ続く)

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