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[No.1118-1]それ以上言わないで!

No.1118-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「この味噌汁、美味しいね!」
「だよな?」

僕もそう言おうと思っていたところだった。
普通の定食屋とは思えない味だ。

「店の人が聞いたら怒るわよw」
「わかってるよ」

ダシが効いている。
それに、魚介の旨みのようなものも感じる。

「家庭では出せない味かもな」
「そうだね」

でも、家庭は家庭なりの味がある。
そして、家庭ごとの味もある。

「ところでさぁ、味噌汁で好きな具は?」
「・・・そうね」

彼女が考え始めた。
確かに、候補は山のようにあるだろう。

「私は、豆腐とネギかな・・・あなたは?」
「僕は・・・」

好きな具は沢山ある。
その中でひとつに決めるのはなかなか難しい。

「かぼちゃ・・・そう!かぼちゃかな」
「かぼちゃって、あの?」

“あの”以外、何があるのか逆に聞きたいくらいだ。
けど、そう言いたい気持ちも理解できる。

(No.1118-2へ続く)

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