« [No.1111-1]たんぽぽの綿毛 | トップページ | [No.1112-1]黄色いマーカー »

[No.1111-2]たんぽぽの綿毛

No.1111-2

「む、虫でもいたの!?」

花は好きだけど虫は嫌いだ。

「ちがう!ちがう!」
「虫やない!」

でも、彼女の視線は一点に集中している。
それに、花に顔をかなり接近させてもいる。

「でもなんか居るんだろ?」
「爬虫類系?」

居たらそれこそパニックになる。
虫よりもっとそれが嫌いだ。

「花が好きで、虫や爬虫類が嫌い・・」
「男子にしては珍しいパターンやな」

呆れているような感心しているようなセリフだった。
でも、自分でもそう思う。

「それなら何が居るんだよ・・・」
「ほら、これ見てみぃ」

彼女がマリーゴールドの茎を指差す。
そこには・・・。

「綿毛か!」
「そや!たんぽぽの!」

どこからか飛んできた綿毛が茎にくっ付いている。
僕らの関係と・・・どことなく似ている。

(No.1111完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.1111-1]たんぽぽの綿毛 | トップページ | [No.1112-1]黄色いマーカー »

(045)小説No.1101~1125」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.1111-1]たんぽぽの綿毛 | トップページ | [No.1112-1]黄色いマーカー »