[No.1111-2]たんぽぽの綿毛
No.1111-2
「む、虫でもいたの!?」
花は好きだけど虫は嫌いだ。
「ちがう!ちがう!」
「虫やない!」
でも、彼女の視線は一点に集中している。
それに、花に顔をかなり接近させてもいる。
「でもなんか居るんだろ?」
「爬虫類系?」
居たらそれこそパニックになる。
虫よりもっとそれが嫌いだ。
「花が好きで、虫や爬虫類が嫌い・・」
「男子にしては珍しいパターンやな」
呆れているような感心しているようなセリフだった。
でも、自分でもそう思う。
「それなら何が居るんだよ・・・」
「ほら、これ見てみぃ」
彼女がマリーゴールドの茎を指差す。
そこには・・・。
「綿毛か!」
「そや!たんぽぽの!」
どこからか飛んできた綿毛が茎にくっ付いている。
僕らの関係と・・・どことなく似ている。
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