[No.1112-2]黄色いマーカー
No.1112-2
「おじさんがね」
「おじさん?」
おじさんが参考書らしきものを開いて勉強していた。
何だかとても難しそうな本だった。
「たまたまかもしれないけど」
「一面、文字で埋め尽くされてた」
直感的に、何らかの法律書のように感じた。
実際、それを見たことはないが。
「難しい小説とか?」
「多分、それはない」
所々、黄色いマーカーが引かれていた。
さすがに小説でマーカーを引く人は皆無だろう。
「60歳以上だと思う」
「見た目で判断しちゃいけないけど、白髪頭で・・・」
若い人たちが勉強している姿はよく見掛ける。
でも、おじさんは初めてかもしれない。
「それで刺激を受けたんだ?」
「うん・・・本気のオーラが背中から・・・」
勉強するのに年齢は関係ない。
素直にそう感じた。
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