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[No.1101-2]知らなかったこと

No.1011-2

「そうね・・・でも・・・」
「それを“やさしさ”と捉えてたと思うよ」

本当にそうなんだろうか?
もし、そうではなかったとしたら・・・。

「あえて聞かないけど」
「手紙の内容がその答えじゃない?」

そこには意外な一言も書かれていた。
一度もそんなことを思ったことがないのに。

「・・・そうかもな」

手紙を読んだ時、一気に感情が押し寄せてきた。
涙が・・・止まらなかった。

「いわゆる、嗚咽ってやつ?」
「そうもなるわよ」

その時、あらためて思った。
母は最期まで強く、そして優しかったと。

「その手紙は?」
「形見のニット帽と一緒に大切に持ってるよ」

けど、あれ以来、読んでいない。
いや、正しくは読めないでいる。

「分かるよ、その気持ち」
「ほら、読んだら・・・アレだろ?」

今でも泣き崩れる姿が容易に想像できるからだ。

「そんな姿を母に見せられないだろ?」
「別にいいじゃない!子供なんだから」

(No.1011完)
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